氷川神社の露店
一番古い思い出、記憶を書いてみた
ハッキリとした自分の年齢は思い出せない、多分小学校へ入る前だと思う。
近くに氷川神社が有り、割と大きな神社で長い参道の石畳が続いていた。
3の日?4の日?辺りだ多々思うが、その長い参道の両側を露店(夜店)が
並び、竹製の虫かごに入った虫を売る店、瀬戸物の店・定番のバナナの叩き売り
等々店はと切れることなく続き、幼い私の手をシッカリと握り、人混みから
私を守りながら進む、まだ若い 母の手に安心感を感じた。
裸電球に照らし出され、露店商の元気な掛け声、石畳を歩く人込みの下駄の音。
思えば私共一家が、最も幸せだった時代だった。
その後4~5年後に父は病気で帰らぬ人となり、母は精神疾患を患い79歳で
亡くなるまで病気から逃れられることは無かった。
母の人生は苦労の連続であった、そして私はいつも寂しかったが、
氷川神社での露店の思い出だけが、幸せの思い出となっている。