セクハラだろー!
ごめんなさい
入居者と言うと高齢者と思いがちですが、老人ばかりでは在りません。
若くして脳梗塞など後遺症のため車いす生活を余儀無くされてる方も、
皆さんが思う以上に多いんですよ。
そんな中から・・・Sさん(男性)のお話を・・・。
仕事中、転落事故と聞いておりますので建築業の方だと思います。
事故による下半身マヒで車いす生活となり入居されました。
独身で年齢は50前、体は不自由でも若いですから頭はクリア、施設に慣れるに従い
少しづつ我が儘や不埒な行動が目に付くようになりそこで問題が発生。
施設職員は圧倒的に若い人が多く、下の世話も若い職員さん達が当然行います。
当時の私は教育・指導係、若い職員さんからはSさんの苦情が次々と入るように
なりました。
苦情内容では、お部屋へ行くとお酒の匂いがプンプン。
大好きなお酒が我慢できなかったのでしょう、車いすで近くの飲み屋へ
行くようになりました。
また年齢定期も若いのでストレスも有ったのでしょう、排泄介助で訪れた職員へ、
「握ってくれ・下着から出してくれ」発言で若い女性職員へのセクハラ行為!
若い職員が恥ずかしそうに困っている姿にヒートアップ!
(当時は未だセクハラとかパワハラとかの言葉は聞かれなかった)
勿論、乗り込みましたよ私。
そして○○○ン出しなさい「握ってあげます」とね・・・。
出さないのでパンツを下げようともみ合う私。
慌てたSさんパンツをしっかりと抑え「ごめんなさい、申しません」
だって「ふざけるなー!」
こんなことを何度か繰り返しておりました。
その日も何時のようにホームを脱走、車いすで居酒屋へホンノリ顔を
赤く染め上機嫌で戻ってきました。
そしてその日の夜中、就寝中におう吐、、そのおう吐物が詰まり窒息死と言う
何とも言い様の無い無い形で生涯の幕を閉じました。
面会されるお姉様の姿を何度か見かけておりますが、最後には
何と声を何お掛けしたものかと思いました。
50前で何と呆気ない生涯、しかし若くして車椅子生活を余儀なくされ、
ホームで年を取ってゆく事は、本人にとって辛い事だったろうと思う。
あれこ考えるが、何が良くて何が悪いのか分からないがお気の毒な方でした。
裏庭にひっそりと咲いておりました。