お嫁に行きたい
今晩は~
独身女性、H・Mさんのお話です。
何の話から出てきた言葉だったか忘れてしまいましたが、
グループホーム勤務時代の話です。
それぞれ皆さんの、若かりし頃の話に成りました。
ある方の満州からの引き上船での悲惨な出来事、見た事・聞いた事に
耳を傾けて居りました。
話は次々と移り、御主人や子供の話になりました。
Hさん・・・・・・「姉妹の子供達の子守をしていた」とポッツリ。
他の方が不思議そうに、
・・・・・・・・・・・・・自分の子供は?
・・・・・・・ 結婚しなかったの?
Hさん・・・「お母さんが、駄目だって・・」
「縁談が有ったけど、お母さんが・・・・!・・・」とHさん。
私・・・・・・「お嫁に行きたかったの?」と、尋ねるとコックリと頷いた。
う~~ん~~、なるほどね~、Hさんは少し障害(知恵遅れ)を持っている為、
母親は嫁入り先での苦労が心配で縁談を断り続けたようでした。
確かに時代背景からも、健常者でも今とは比べ物に成らない苦労を、お嫁さんは
耐え抜いた時代、母親が障害を持つ娘を嫁に出せなかった気持ちは理解できる。
・・・・・と、同時にHさんの気持ちも分かる気はします。
結婚し自分の子供を持ち、育てたかったのでしょうね、きっと・・・・・。
そんな話を聞いた2年後、80歳で心筋梗塞のため亡くなりました。
2・3日前より様子が変でしたので「病院へ行こう、診て貰おうね」と
私が病院へ付き添いい、それがHさんとの最後のお別れでした。